夢の話

昔…

といっても少し前の昔

こんな夢を見た


美しい島々の間を縫って一艘の船が

着岸しようとしている

その船に乗っている人々は

深い藍の色をした衣をまとっていた


そして…

浜辺に降り立ったところ

白い衣をまとった人々に迎えられ

船から降りた藍の衣の人たちは

みんな白い衣に着替え

なにか短い歌と踊りをともにした


そして…

海岸より切り立った山に向かって歩いていった


険しそうな山に登ってゆく途中

紅い衣をまとった人々に迎えられ

海辺から細い瀬を上がってきた白い衣の人たちは

今度はみんな紅い衣に着替え

さっきと同じように

なにか短い歌と踊りをともにした


そして…

山を降って地下の洞窟へと歩いていった


地下の洞窟へ入ってゆく途中

黒い衣をまとった人々に迎えられ

山から降りてきた紅い衣の人たちは

みんな黒い衣に着替えた

またさっきと同じように

なにか短い歌と踊りをともにした


そして…

洞窟から出て地上へと上がっていった

洞窟をでて空を見上げると

虹色の衣をまとった人々が

天上より祝福の歌と踊りを捧げた


そして…


海へゆく人は藍の衣に

大地へ留まる人は白い衣に

山へ上がる人は赤い衣に

洞窟へ入る人は黒い衣に


それぞれに散らばった